久しぶりにぐっときた映画。
テーマは別に目新しくないし、例えばあらすじを話そうと思っても、シャネルと作曲家ストラヴィンスキーとその奥さんとの関係が、、、となるのだが、ものすごく引き込まれた。
なぜか考えたら、ひとえに俳優陣の演技力だと思う。
演技力というか存在感というか。
ココシャネルの強さと存在感、女っぽさと冷たさと愛情深さ、という複雑な人間性をとてもよく描けていたと思う。
好きな男の弱いところ、ダメなところを見たくないのはみんな一緒だ。
そんな時に毅然と拒絶したりするのって、簡単なようで難しかったり。
でも拒絶することが愛情でもあり、再起に向かう原動力になったりする。
傷を舐め合う関係は、一瞬しか続かない。
母性とかいう中途半端な言葉で自分を納得させて、ダメなところでお互いが結びつくような関係。
すぐに色褪せたいらないものになるのは目に見えている。
なのになぜか手放せないという、まるで麻薬のようだ。。
シャネルのように冷静に、きちんと距離を保って人と関わるって大切なことだと思う。
どんなに好きでもこの一線を越えたら私はあなたから去るわ、という毅然とした姿勢。
仕事に対しても妥協を許さなかったシャネル、どんなことにも通じる強さを持っていたんだろう。
2009/フランス
監督:ヤン・クーネン
出演:アナ・ムグラリス、マッツ・ミケルセン(007カジノロワイヤル)