仲が良かった友達と、成長するにつれ少しずつズレてしまうあの感覚。
あんなに分かり合えたはずなのに、もうどうすることもできないあの感覚。
失いたくない気持ちの反面、もう既に失ってしまったことをどこかで理解していた。
この映画は、そんな心の奥に仕舞い込まれた感情のふたをそっと開ける。
そうやって人はみな成長するのだ。出会い別れながら。
でも、心底悲しいわけではない。
べったり一緒にいるだけが、友情じゃない。
常に分かり合うのが友情じゃない。
もう二度と会わないとしても、あの一瞬は消してなくならない。
この映画は主演の深津絵里よりも、高校生時代を演ずる大後寿々花の方が印象的だった。
高校生時代は、あんなに芯がしっかりしていて、やるせなさとか怒りとか希望とかが全身から溢れていたのに、大人になったらあそこまでフヌケでフェミニンになるのも、ねぇ。
大後さん、いい表情してました。
「女の子ものがたり」 2009/日本
監督:盛岡 利行
出演:深津 絵里 大後 寿々花 他
配給:IMJエンタテインメント、エイベックス・エンタテインメント