フランス映画を観たくてチョイス。1966年 カンヌ映画祭グランプリ、アカデミー賞外国語映画賞、受賞。
それぞれ子供もい、断ち切れない過去を持ちながらも、惹かれあい、愛することに抗えない男女の恋愛模様。
子供を同じ寄宿学校に預けていることが縁で偶然知り合った男女。
女は、スタントマンだった夫を事故で亡くし、男は、自分が起こしたカーレースの事故で瀕死の重傷を負った時に妻がショックで自殺してしまったという過去を持つ。
徐々に惹かれあう二人。
絵のように美しい冬のノルマンディー、ドーヴィルが舞台。
ノルマンディーのちょっと寂しくて、でもどこか潔さがある海辺の雰囲気が、人生の酸いも甘いも知り尽くした男女の恋愛と重なり素晴らしい。
ドーヴィルの冬の風景が物語の重要な要素だし、実際後日談で、監督ルルード・クローシュが「行き詰ってドーヴィルまで当てなく車を飛ばした時、海辺で朝を迎えた。すると、朝の六時に、海辺を犬と子供を連れて散歩をしている女性がいた。なぜこんな時間に子供と散歩をしているのだろう。そこには何か必ず理由があるはずだ。きっとたまにしか会えない環境に違いない、などと彼女の人生に対して興味と想像を抱かずにはいられなかった」と語っている。
そこからのイマジネーションがこの映画の元となっている。
音楽もよかったなー
有名な「ダバダバダ、ダバダバダ♪」というテーマソングだけでなく、映画の終盤にかかる「愛は私たちより強く」という曲がたまらなく良かった。哀愁漂う音楽とこの歌詞。
「人は悩むなと言う、愛に苦しむなと。愛の行方はいずこ、それは愛が決めること。愛は私たちより強いから」
もう一つ良かったセリフがあった。
男「ジャコメティの彫刻は知ってる?」
女「ええ、素敵だわ」
男「彼が言った。”もし火事になったら、レンブラントの絵よりも、猫を救う”」
女「”そして後で放してやる”」
男「そう。”芸術より人生を”」
フランス映画って好き嫌いが分かれるけれど、ただそこに人生があるだけ、ということが最高の映画の題材なんだよなぁ、とこのような良作を観るといつも思う。
これは恋愛映画の中でかなりの上位にランクインだ。(ランクつけてないけど)
観たことのない映画の中に、こんな風にシビれる映画がまだまだあると思うと、あぁもっといっぱい観たいなぁと思う。
でも、そうそう映画ばかりも観ていられないんだな人生は。