これはなんとなく暇つぶし的に見たんだけど(失礼)、思いがけずいい映画だった。
中国の長江近くに暮らすビンアイの生活を追ったドキュメンタリー。
最近の中国の発展と、それによる中国人の金第一主義に、中国人に対する一つの決まった見方を持ってしまっていたが、いい意味でそれを覆してくれた。
運命を受け入れていて、肝が据わっていて、体の弱い夫との関係があり、子供を愛し、中国という国を冷静に見つめるまなざし、弱者の立場ながら自分の正しいと思う事を貫こうという姿勢、淡々と農作業をこなし自分には農業しかないという謙虚さ。
ビンアイは、いつもきちんと考えている。
どうしてこうなったのか、なぜこうなのか。
ビンアイに取ってはすべてが普通のことかもしれないが、どっしりとした懐の深い、大きなものを見せてくれた。
「長江にいきる 秉愛(ビンアイ)の物語」2008/中国
監督:フォン・イェン