長らく待って、今日公開初日に見てきた。
初日はスタッフは遠慮したほうがいいかなーといつもは思うけれど、今日は行ってしまった。
話題の作品なので説明はいらないだろうが、トムフォードの初監督作品。
愛するパートナーを失って生きる意味を見いだせなくなった大学教授の一日。
ゲイかゲイじゃないかというのは、たまたま自分がどちらの境遇かというだけであって、ゲイだから孤独が強いと言いたいわけではない、というのは、ジュリアンムーア演じる異性愛者の存在でも示されていて、そこがまずマイノリティの孤独に酔った感じがなくて良かったと思う。
とにかくストーリーから、衣装から、音楽から、映像からすべてが素晴らしかった。
トムフォードの美意識満載。美しい男たち満載。
そして主演のコリンファースの存在感がすごすぎる。
あーこの人の、全部受け入れた上でのやりきれなさ、の表情、あの視線がたまらなくいい。
彼を救うケニー役のニコラスホルトのピュアさも、ちょっと言葉では説明できないくらい良かった。
アバウトアボーイの小太りの少年だったなんて。
こんなに美しく成長することってあるんだ。あの美しさはちょっと衝撃だ。
ラストもまた素晴らしい。
自らの孤独、哲学、死生観をすべてさらけ出したトムフォードに心からブラボーと言いたい。
残念なのは、そんなトムフォードの作った服を着たことがないし、これからもたぶん着れないだろうということ。