中学生の時にフェデリコ・フェリーニの「道」を観て心を掴まれ、それではと「8 1/2」も観てみた。
しかし中学生の私には、何だかよくわからない…という印象を残して終わった。
このNINEはその「8 1/2」のミュージカル映画だ。(一度過去にミュージカルになっているものを映画化)
公開前から話題になっていた豪華キャスト(ペネロペ・クルス、マリオン・コティヤール、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ファーギー、ソフィア・ローレン、、、あと誰か忘れてないかな、あ、ジュディ・デンチなどなど)と、昔は理解できなかったけど今回はたぶんいけるはず、という期待とで楽しみに観に行った。
最初と最後の(結局つながっている)全員が舞台に揃ってキメるところは圧巻だった。
豪華すぎて、またそれぞれが素晴らし過ぎて、あのシーンを観るのにもう一回行ってもいいとも思う。
そう、この映画の印象はまさに「それぞれが素晴らしすぎる」である。
この豪華出演者たちの共演はほぼない。
まぁそれもそのはず。母親や、娼婦はグイドの過去の記憶の中での話だし、妻や愛人たちが同じ画面に登場するのもおかしな話だし。
グイド対女たちである。
だから、「それぞれの素晴らしさ」を堪能するに尽きるのである。
まず、ダンスが素晴らしかった、ペネロペとファーギー。
ペネロペのストリップチックなダンスは、ちょっとやそっと練習しただけじゃあんな風に足を上げたりできないだろう。
フィギアやラテンダンスなんかも、観てる分にはキレイ、セクシーだけど、やってるほうはそんな生半可なものではない。
演技も素晴らしいのに、あんな風に体も使えるなんて心底尊敬してしまう、そしてあんなにかわいくてセクシーで。
ファーギーは、歌はもちろん、増量して挑んだという娼婦役、魂がこもっていた。
ケイド・ハドソンも、ぽっちゃりさんなのに、なかなか上手にダンスしてました^^(ちょっとアイドルオンステージみたいだったけど)
そして、今回の役柄で一番良かったなーと思ったのは、ニコール・キッドマン。
グイドの女神のような存在から、一女としての自分に返ることを選んだクラウディア。
ウィッグを取る前と取った後の印象がまるで違って、本当にいい演技だったと思う。
妻役、マリオン・コティヤールは、準主役級の割りに、良妻で品行方正な役どころからか、可もなく不可もなくな印象だった。
2曲目の、想像の中の複数の男たちにもみくちゃにされるところが、そのギャップとダンスで良かった。
あーミュージカル映画はいいなぁ。
たまにこういう豪華な映画を大きい映画館で観るのもまたいいもんですよね。
そう、そしてオリジナル「8 1/2」をもう一度観てみよう。