Serpentine Gallery へ オノ・ヨーコのインスタレーションを見に。
前衛芸術家、平和活動家、と聞くと、はぁ?と思う人も多いだろうけど、実際彼女の発する言葉や作品は、イマジネーションに満ち溢れていて(我々のイマジネーションも刺激する)、愛にも平和にも満ちていて、単純に人々を幸福にしたり、考えるきっかけを与えたりすると思う。
彼女に対する批判も多いのはもちろん承知だが、平和とか非核とか非暴力を真正面から訴えると批判の対象になりやすかったりする。
それに、批判って批判しようという目でみるから批判が出てくる部分もあるんじゃないかな。
まぁそういうお仕事の人はしょうがないけど。
ロンドンでそういう関係の仕事をしている人にオノヨーコ行ったよと言ったら、「あ~どうだった?結構いろいろ言われてるよね」って。世間の評判はあんまりらしい。
新聞とか雑誌の批評なんて、ありとあらゆる圧力がかかっているだろうし、まぁ観た人が判断したらいい話。
昔の作品も展示してあって、そして最新の作品と並べてあったりして、ヨーコがどのように変わったかというのが見えたり想像できたりして、暖かみのある展示だった。
昔、「ただの私」というエッセイを読んだけど、それを書いた頃に比べると、かなり丸いフェミニストになっているんじゃないの。
御歳79歳ですか!
批判が多かったのは、おばあちゃんの回顧展って感じだったからかな?(失礼)昔の作品がだいぶあったし。
そういうのも含めて私はいいと思ったんだけど。
それにしても、常に時代の先端にいて、思いを発信して、ピンピン元気でボイン!すごい。
「誰でも、心の健康と精神の健康を目指せば、自分なりの美しさが出てくるものです。私は別に人と変わったことはしていません。ただ一生懸命、毎日、自分のベストを尽くすことにしています」って。
このクオートが好き。
A dream you dream alone is only a dream. A dream you dream together is reality.
一人で見る夢はただの夢、一緒に見る夢は現実。
映画「ショート・バス」
『ショートバス』(Shortbus)は、2006年制作のアメリカ合衆国の映画。ジョン・キャメロン・ミッチェル脚本、監督。大都会の片隅で愛と性を求め合う男女たちの姿を、リアルで過激な映像の中に描く。
第22回インディペンデント・スピリット賞プロデューサー賞受賞。第59回カンヌ国際映画祭特別招待作品。第31回トロント国際映画祭出品作。
(wiki)
この映画の中で、主演を務めるスックイン・リーが、自身の勤めるラジオ局を、過激な性描写の映画に出演したことを理由に解雇されそうになった時に、幾人もの著名人(オノ・ヨーコ、フランシス・F・コッポラ、ジュリアン・ムーアなど)が嘆願書を送り、解雇が取り消されるという出来事があった。合わせて検閲制度の問題。
ヨーコの嘆願書より
「検閲制度が暴力よりもセックスを拒絶するのは悲しいわ。そんな風にセックスを怖がってるから社会から暴力がなくならないのよ。くたばれ検閲制度!」
この人は、なんせ誤解されやすい人だと思う。
そりゃ、ポルノ的なもの、えげつない性描写を良しとしているわけではなく、必要な性描写を見せろ、と言いたいだけなんだけど(勝手に解釈)、自分にとって当たり前のことだと敢えてわざわざ説明しないから、論争の的になったりするんだと思う。
でもアーティストはそうやって、自分の主張だけぶっ放していればいいんだと思う。